1 00:00:04,050 --> 00:00:07,863 1929年6月、 強い地震がニュージーランドの 2 00:00:07,903 --> 00:00:09,770 南島を揺るがしました。 3 00:00:09,810 --> 00:00:12,767 コペンハーゲンでは、 インゲ・レーマンという 4 00:00:12,807 --> 00:00:16,790 地震学者が、この地震が世界各地の 観測所に残した記録を調べました。 5 00:00:16,830 --> 00:00:19,703 微弱な波がロシアの観測所に 届いていたのです。 6 00:00:19,743 --> 00:00:21,862 そこは、 当時のどの理論によっても、 7 00:00:21,902 --> 00:00:24,650 地球の核が波を遮って 届かないはずの区域でした。 8 00:00:24,690 --> 00:00:26,770 彼女は、その謎に何年も取り 組みました。 9 00:00:26,810 --> 00:00:29,310 1936年、 彼女は答えを発表しました。 10 00:00:29,350 --> 00:00:31,317 液体の核の奥深くには、 もう一つの核、 11 00:00:31,357 --> 00:00:34,402 つまり内核があるはずで、 そこでは波がより速く伝わる、 12 00:00:34,442 --> 00:00:35,510 というものです。 13 00:00:35,550 --> 00:00:37,771 その内核が波を曲げ、 「禁じられた区域」 14 00:00:37,811 --> 00:00:39,290 へと送り込んでいたのです。 15 00:00:39,330 --> 00:00:41,090 そこへ行った人は、 これまで誰もいません。 16 00:00:41,130 --> 00:00:43,228 地震が、 彼女にそれを見せてくれたのです。 17 00:00:43,268 --> 00:00:45,850 この講義の終わりまでに、 その方法がわかるでしょう。 18 00:00:45,890 --> 00:00:48,576 この講義では、 一つの地震を始まりから終わりまで 19 00:00:48,616 --> 00:00:49,510 追っていきます。 20 00:00:49,550 --> 00:00:52,340 断層がどのようにひずみを蓄えて 破壊するのか、そして科学者がその 21 00:00:52,380 --> 00:00:54,230 波をどのように読み解くのかを 見ていきます。 22 00:00:54,270 --> 00:00:56,681 それから、一つの地震がどのように 次の地震へとつながるのか、 23 00:00:56,721 --> 00:00:58,911 そして波がこの惑星の 奥深くについて何を 24 00:00:58,951 --> 00:01:00,890 明らかにするのかを見ていきます。 25 00:01:02,980 --> 00:01:05,272 地球の外側の殻はいくつもの プレートに割れていて、 26 00:01:05,312 --> 00:01:06,896 プレートは年に 数センチメートルずつ 27 00:01:06,936 --> 00:01:07,660 移動しています。 28 00:01:07,700 --> 00:01:10,526 二つのプレートが出会う場所では、 その境界が断層です。 29 00:01:10,566 --> 00:01:12,961 プレートが動き続けていても、 たいていの場合、 30 00:01:13,001 --> 00:01:16,180 断層の両側はくっついたまま 固着しています。 31 00:01:16,360 --> 00:01:19,130 固着した断層の近くの岩盤は、 重さが増していく飛び込み 32 00:01:19,170 --> 00:01:21,260 板のように、 ゆっくりとたわんでいきます。 33 00:01:21,300 --> 00:01:24,851 1910年、 ハリー・フィールディング・リード 34 00:01:24,891 --> 00:01:26,638 という地質学者が、 1906年の 35 00:01:26,678 --> 00:01:30,434 サンフランシスコ大地震の前と後に 行われた測量の結果から、 36 00:01:30,474 --> 00:01:32,060 このことを示しました。 37 00:01:32,100 --> 00:01:33,953 彼はこれを弾性反発と 名づけました。 38 00:01:33,993 --> 00:01:36,897 何十年にもわたるゆっくりとしたた わみと、その後の突然の 39 00:01:36,937 --> 00:01:37,660 跳ね返りです。 40 00:01:37,700 --> 00:01:39,880 これが地震サイクルです。 41 00:01:39,920 --> 00:01:42,227 断層は何十年、 何百年もかけてひずみを蓄え、 42 00:01:42,267 --> 00:01:45,219 数秒あるいは数分で破壊し、 その後ふたたび固着して、 43 00:01:45,259 --> 00:01:47,040 またひずみを蓄え始めます。 44 00:01:47,080 --> 00:01:50,800 大きな地震は、 どれもこのサイクルの一巡です。 45 00:01:51,120 --> 00:01:53,320 科学者は、ひずみが蓄積していく 様子を観測することができます。 46 00:01:53,360 --> 00:01:57,174 地面に固定されたGPS受信機は、 自らの位置を一インチにも満たない 47 00:01:57,214 --> 00:02:00,820 精度、つまり数ミリメートルの 精度で追跡します。 48 00:02:00,860 --> 00:02:03,872 固着した断層から遠く離れた 観測点はプレートとともに 49 00:02:03,912 --> 00:02:07,040 動きますが、断層に近い観測点は 遅れをとります。 50 00:02:07,080 --> 00:02:09,040 地面がたわんでいるのです。 51 00:02:09,280 --> 00:02:10,813 断層がどれほど強く 固着しているかを、 52 00:02:10,853 --> 00:02:12,260 その断層の カップリングと呼びます。 53 00:02:12,300 --> 00:02:15,571 完全にカップリングした断層は、 プレートの動きのほぼすべてを、 54 00:02:15,611 --> 00:02:16,880 毎年毎年蓄えていきます。 55 00:02:16,920 --> 00:02:19,860 日本の北東沖では、 2011年3月の 56 00:02:19,900 --> 00:02:21,869 巨大地震によって、 そこのプレートが 57 00:02:21,909 --> 00:02:24,939 海溝のすぐそばまで 固着していたことがわかりました。 58 00:02:24,979 --> 00:02:28,360 海溝は、太平洋プレートが日本の 下に沈み込む場所です。 59 00:02:28,400 --> 00:02:31,983 その境界がはずれたとき、 海底は移動し、場所によっては 60 00:02:32,023 --> 00:02:36,500 約50メートル、 150フィート以上もずれました。 61 00:02:36,700 --> 00:02:38,270 すべての断層が、 ひずみを蓄えている間、 62 00:02:38,310 --> 00:02:39,840 完全に 静止しているわけではありません。 63 00:02:39,880 --> 00:02:42,519 ワシントン州と ブリティッシュコロンビア州の 64 00:02:42,559 --> 00:02:45,985 地下では、約14か月ごとに、 プレート境界の深い部分が 65 00:02:46,025 --> 00:02:50,720 二週間ほどかけて一インチほど、 つまり数センチメートルずれます。 66 00:02:50,760 --> 00:02:52,480 誰もそれを感じません。 67 00:02:52,520 --> 00:02:54,730 GPSによって、 2000年ごろにこうした 68 00:02:54,770 --> 00:02:57,160 スロースリップイベントが 明らかになりました。 69 00:02:57,200 --> 00:02:59,460 科学者はこれを注意深く 見守っています。 70 00:02:59,500 --> 00:03:02,369 一回ごとに、その上にある断層の 固着した部分に負荷が 71 00:03:02,409 --> 00:03:03,300 加わるからです。 72 00:03:03,500 --> 00:03:05,860 このサイクルは、 地中に記録を残します。 73 00:03:05,900 --> 00:03:08,792 地質学者は断層を横切るトレンチ (溝)を掘り、 74 00:03:08,832 --> 00:03:11,800 土の層を本のページのように 読み解きます。 75 00:03:11,840 --> 00:03:13,712 層が引き 裂かれてずれているところは、 76 00:03:13,752 --> 00:03:15,480 地震がその層を断ち 切った場所です。 77 00:03:15,520 --> 00:03:18,852 それらの層の年代を測定すると、 断層が数千年の間にどのくらいの 78 00:03:18,892 --> 00:03:20,740 頻度で 破壊してきたかがわかります。 79 00:03:22,700 --> 00:03:25,460 地震は、断層全体を一度に 破壊するわけではありません。 80 00:03:25,500 --> 00:03:27,190 地震は一点から始まります。 81 00:03:27,230 --> 00:03:30,440 それが震源で、応力が最初に摩擦に 打ち勝つ場所です。 82 00:03:30,480 --> 00:03:33,204 そこから、断層のずれ、 つまり破壊が断層面を外側へと 83 00:03:33,244 --> 00:03:34,511 急速に広がっていきます。 84 00:03:34,551 --> 00:03:36,505 その速さは、 ふつう毎秒2キロメートルから 85 00:03:36,545 --> 00:03:37,460 3キロメートルです。 86 00:03:37,500 --> 00:03:41,020 中には、自らが送り出す波の一部を 追い越してしまう 87 00:03:41,060 --> 00:03:42,340 破壊さえあります。 88 00:03:42,480 --> 00:03:45,880 地震が大きいほど、 破壊は長く続きます。 89 00:03:45,920 --> 00:03:48,620 中規模の地震なら、 数秒で終わります。 90 00:03:48,660 --> 00:03:53,354 2004年のスマトラ大地震では、 破壊が約八分間にわたって北へと 91 00:03:53,394 --> 00:03:55,273 断層を引き裂き続け、 その長さは 92 00:03:55,313 --> 00:03:58,540 1,300キロメートルを 超えました。 93 00:03:58,740 --> 00:04:01,267 断層がどれだけの範囲で破壊し、 どれだけずれたかによって、 94 00:04:01,307 --> 00:04:02,440 地震の大きさが決まります。 95 00:04:02,480 --> 00:04:07,376 科学者は三つの量を掛け 合わせます。破壊した断層の面積、 96 00:04:07,416 --> 00:04:10,760 断層の両側がずれた量、 そして岩石の硬さです。 97 00:04:10,800 --> 00:04:13,870 その結果が地震モーメントで、 現代のマグニチュードの 98 00:04:13,910 --> 00:04:16,080 尺度はこれをもとにつくら れています。 99 00:04:16,120 --> 00:04:19,904 尺度が整数で一つ上がるごとに、 放出されるエネルギーは 100 00:04:19,944 --> 00:04:21,360 約32倍になります。 101 00:04:21,580 --> 00:04:24,330 ほとんどの地震は、 地表から約70キロメートル以内の 102 00:04:24,370 --> 00:04:25,320 深さで始まります。 103 00:04:25,360 --> 00:04:28,528 しかし、一方のプレートがもう 一方の下に沈み込む場所では、 104 00:04:28,568 --> 00:04:31,308 地震は沈んでいくプレートに沿って 深くまで起こり、 105 00:04:31,348 --> 00:04:33,740 その深さは 約700キロメートルに達します。 106 00:04:33,780 --> 00:04:38,209 1994年には、観測史上最大級の 深発地震の一つが、 107 00:04:38,249 --> 00:04:40,794 ボリビアの 地下約630キロメートルで 108 00:04:40,834 --> 00:04:42,000 起きました。 109 00:04:42,040 --> 00:04:44,760 その揺れは、遠くカナダでも 感じられました。 110 00:04:46,800 --> 00:04:48,920 破壊は波を送り出します。 111 00:04:48,960 --> 00:04:50,921 P波は、 ばねを縦に押したときのように 112 00:04:50,961 --> 00:04:53,071 岩盤を押し縮めたり引き 伸ばしたりし、 113 00:04:53,111 --> 00:04:54,780 最も速く伝わります。 114 00:04:54,820 --> 00:04:57,980 S波は岩盤を左右に揺らし、 遅れて届きます。 115 00:04:58,020 --> 00:05:00,624 これらの波が地表に達すると、 表面波が地面に沿って 116 00:05:00,664 --> 00:05:02,360 外側へとうねるように広がります。 117 00:05:02,400 --> 00:05:06,340 表面波は最も遅いのですが、 被害の多くを引き起こします。 118 00:05:06,580 --> 00:05:10,550 P波とS波の到着の時間差から、 観測点は地震までの距離を 119 00:05:10,590 --> 00:05:12,020 知ることができます。 120 00:05:12,060 --> 00:05:14,620 近くの地震の場合、 その時間差の一秒ごとが 121 00:05:14,660 --> 00:05:16,540 約8キロメートルに相当します。 122 00:05:16,580 --> 00:05:19,534 三つの観測点があれば場所を 特定でき、数百の観測点からなる 123 00:05:19,574 --> 00:05:22,460 観測網なら 数秒のうちにそれができます。 124 00:05:22,720 --> 00:05:24,620 断層の壊れ方には、 主に三つの種類があります。 125 00:05:24,660 --> 00:05:26,473 正断層では、 地殻が引き伸ばされて、 126 00:05:26,513 --> 00:05:27,860 一方の岩塊が落ち込みます。 127 00:05:27,900 --> 00:05:30,101 逆断層では、 地殻が押し縮められて、 128 00:05:30,141 --> 00:05:32,820 一方の岩塊がもう一方の上にのし 上がります。 129 00:05:32,860 --> 00:05:37,500 横ずれ断層では、 両側が横方向にすれ違います。 130 00:05:37,760 --> 00:05:41,020 断層がどのように壊れたのかは、 波そのものが教えてくれます。 131 00:05:41,060 --> 00:05:46,320 ある観測点では地面の最初の動きが 押しで、別の観測点では引きです。 132 00:05:46,360 --> 00:05:48,969 これらの押しと引きを 地球全体にわたって図に表すと、 133 00:05:49,009 --> 00:05:51,400 地震学者が「ビーチボール」 と呼ぶ模様が描かれます。 134 00:05:51,440 --> 00:05:56,256 2023年2月、 トルコでマグニチュード7.8の 135 00:05:56,296 --> 00:05:58,140 地震が起きました。 136 00:05:58,180 --> 00:06:00,678 その「ビーチボール」 は横ずれの破壊を示し、 137 00:06:00,718 --> 00:06:03,007 余震はその破壊を 東アナトリア断層に 138 00:06:03,047 --> 00:06:05,200 沿ってなぞるように分布しました。 139 00:06:05,280 --> 00:06:07,680 地震の大きさを確定するには、 もっと時間がかかります。 140 00:06:07,720 --> 00:06:12,853 2011年、揺れが始まってから 約三分後に出された日本の最初の 141 00:06:12,893 --> 00:06:15,125 津波警報は、 マグニチュード7.9に 142 00:06:15,165 --> 00:06:16,580 基づいていました。 143 00:06:16,620 --> 00:06:20,982 速報的な手法は、最大級の地震では 頭打ちになってしまうため、 144 00:06:21,022 --> 00:06:24,600 推定値は段階的に9まで引き 上げられました。 145 00:06:25,000 --> 00:06:27,520 すばやく出される数値は 警報のためのもので、 146 00:06:27,560 --> 00:06:29,920 最終的な数値は記録全体から 求められます。 147 00:06:30,100 --> 00:06:33,026 その最終的な数値が モーメントマグニチュードで、 148 00:06:33,066 --> 00:06:35,360 断層の面積とずれの量から 算出されます。 149 00:06:35,400 --> 00:06:38,217 古い尺度とは違い、 最大級の地震でも値が 150 00:06:38,257 --> 00:06:39,700 頭打ちになりません。 151 00:06:39,740 --> 00:06:42,046 そのため、巨大地震では、 最初の一時間のうちにいくつもの 152 00:06:42,086 --> 00:06:43,829 マグニチュードが 示されることがあります。 153 00:06:43,869 --> 00:06:46,294 速報値が、 やがてモーメントマグニチュードに 154 00:06:46,334 --> 00:06:47,820 置き換わっていくからです。 155 00:06:48,140 --> 00:06:50,152 レーダー衛星は、 一つの地震の全体を一度に 156 00:06:50,192 --> 00:06:51,460 地図にすることができます。 157 00:06:51,500 --> 00:06:55,413 前と後に撮影した画像を 比べることで、地面が動いた場所に 158 00:06:55,453 --> 00:06:56,893 色の縞を描き出します。 159 00:06:56,933 --> 00:07:00,217 縞一本が、衛星に近づく向きの 約3センチメートル、 160 00:07:00,257 --> 00:07:02,700 つまり約一インチの 動きを表します。 161 00:07:02,740 --> 00:07:06,172 その模様は、人が近づけない 場所であっても、破壊した断層の 162 00:07:06,212 --> 00:07:07,520 位置をなぞり出します。 163 00:07:09,390 --> 00:07:11,430 地震には、地震ならではの 規則があります。 164 00:07:11,470 --> 00:07:13,872 マグニチュードが一つ 下がるごとに、 165 00:07:13,912 --> 00:07:15,850 地震の数は約十倍になります。 166 00:07:15,890 --> 00:07:18,810 世界全体では、 平年でマグニチュード5以上の 167 00:07:18,850 --> 00:07:21,016 地震が 1,000回以上起きますが、 168 00:07:21,056 --> 00:07:24,970 マグニチュード8以上は 約一回だけです。 169 00:07:25,130 --> 00:07:29,500 大きな地震の後には余震が起こり、 余震は規則的に減っていきます。 170 00:07:29,540 --> 00:07:34,741 これは、地震学者の大森房吉が 1890年代に日本で見いだした 171 00:07:34,781 --> 00:07:36,030 パターンです。 172 00:07:36,070 --> 00:07:40,120 本震から十日後には、 余震の起こる頻度は初日の約十分の 173 00:07:40,160 --> 00:07:41,170 一になります。 174 00:07:41,210 --> 00:07:43,310 百日後には、約百分の一です。 175 00:07:43,350 --> 00:07:48,953 最大の余震は、平均すると本震より マグニチュードが 176 00:07:48,993 --> 00:07:51,370 約1.2小さくなります。 177 00:07:51,410 --> 00:07:55,700 ですから、マグニチュード7の 地震の後に、マグニチュード6近い 178 00:07:55,740 --> 00:07:58,253 強い余震が起きても 不思議ではありません。 179 00:07:58,293 --> 00:08:00,174 被害を受けた建物は、 点検が済むまで 180 00:08:00,214 --> 00:08:01,530 無人にしておくべきです。 181 00:08:01,730 --> 00:08:02,543 地震は、 応力を 182 00:08:02,583 --> 00:08:04,170 解放するだけではありません。 183 00:08:04,210 --> 00:08:05,670 応力を移動させもするのです。 184 00:08:05,710 --> 00:08:09,536 破壊した断層の端では、 そのすぐ先にある岩盤にかかる 185 00:08:09,576 --> 00:08:13,670 応力が高まり、隣の区間が破壊に 一歩近づきます。 186 00:08:13,930 --> 00:08:16,779 トルコの北アナトリア断層は、 このことをはっきりと 187 00:08:16,819 --> 00:08:17,610 示しています。 188 00:08:17,650 --> 00:08:20,732 1939年以降、 60年にわたって、 189 00:08:20,772 --> 00:08:24,750 一連の大地震がこの断層に沿って 東から西へと進んでいきました。 190 00:08:24,790 --> 00:08:27,886 そのうち最大の十の地震を調べた 研究によると、九つは、 191 00:08:27,926 --> 00:08:31,130 それ以前の地震によって破壊に 近づけられていました。 192 00:08:31,170 --> 00:08:36,307 1999年8月、この地震の連鎖は イスタンブールに近いイズミットに 193 00:08:36,347 --> 00:08:40,230 達し、イスタンブールの地下で強い 地震が起こる確率を高めました。 194 00:08:40,590 --> 00:08:41,540 人間も、 断層の固着を 195 00:08:41,580 --> 00:08:42,870 解いてしまうことがあります。 196 00:08:42,910 --> 00:08:46,922 オクラホマ州では、 石油・ガスの操業で大量の塩分を 197 00:08:46,962 --> 00:08:51,454 含む廃水が地下深くに圧入され、 古い断層の内部の圧力が高まって、 198 00:08:51,494 --> 00:08:53,490 ついに断層がずれ動きました。 199 00:08:53,530 --> 00:08:57,700 マグニチュード3以上の地震は、 年に約二回から、2015年には 200 00:08:57,740 --> 00:09:01,030 900回以上へと急増しました。 201 00:09:01,070 --> 00:09:04,932 オクラホマ州で最大のものは、 2016年にポーニー近くで起きた 202 00:09:04,972 --> 00:09:08,248 マグニチュード5.8の地震で、 いくつもの州で揺れが 203 00:09:08,288 --> 00:09:09,310 感じられました。 204 00:09:09,490 --> 00:09:11,082 これらはすべて予測に 生かされます。 205 00:09:11,122 --> 00:09:13,610 予測が示すのは確率であって、 日付では決してありません。 206 00:09:13,650 --> 00:09:16,343 カリフォルニア州の小さな 町パークフィールドは、 207 00:09:16,383 --> 00:09:18,450 サンアンドレアス断層の 上にあります。 208 00:09:18,490 --> 00:09:23,383 1857年から1966年の間に、 そこでは六回の中規模の地震が 209 00:09:23,423 --> 00:09:26,930 起き、およそ22年に一回の 割合でした。 210 00:09:26,990 --> 00:09:31,976 1985年、科学者は次の地震が 1993年までに起こると予測し、 211 00:09:32,016 --> 00:09:34,450 それをとらえるために一帯に 観測機器を張りめぐらせました。 212 00:09:34,490 --> 00:09:38,327 地震が起きたのは2004年で、 予測の期間が終わってから 213 00:09:38,367 --> 00:09:39,890 11年後のことでした。 214 00:09:39,930 --> 00:09:43,316 断層は、予測ができる程度には 規則的ですが、時刻表どおりに 215 00:09:43,356 --> 00:09:45,130 動くほど規則的ではありません。 216 00:09:45,530 --> 00:09:49,121 そのため現代の予測では、 地震サイクル、トレンチに残された 217 00:09:49,161 --> 00:09:52,498 記録、ひずみの蓄積をとらえた GPSの測定を組み合わせて、 218 00:09:52,538 --> 00:09:55,450 今後数十年間の断層ごとの 確率を示します。 219 00:09:55,490 --> 00:09:59,275 オクラホマ州での急増を受けて、 米国地質調査所は、 220 00:09:59,315 --> 00:10:04,530 人間が引き起こす地震についても 一年間の予測を出し始めました。 221 00:10:06,430 --> 00:10:10,310 地面を揺らすのと同じ波が、 この惑星全体を伝わっていきます。 222 00:10:10,350 --> 00:10:13,871 深いところの岩石には非常に大きな 圧力がかかっていて、波はふつう、 223 00:10:13,911 --> 00:10:15,230 深くなるほど速くなります。 224 00:10:15,270 --> 00:10:18,921 そのため、波の通り道はゆるやかに 曲がって地表へと戻ってきます。 225 00:10:18,961 --> 00:10:22,090 熱い道路の上にゆらめく 蜃気楼のようにです。 226 00:10:22,210 --> 00:10:25,933 1909年、 アンドリヤ・モホロビチッチという 227 00:10:25,973 --> 00:10:29,159 クロアチアの科学者が、 近くで起きた地震の波が二組に 228 00:10:29,199 --> 00:10:31,210 分かれて届くことに気づきました。 229 00:10:31,250 --> 00:10:33,492 一部の波は、より深い岩石を通る、 より速い 230 00:10:33,532 --> 00:10:34,950 経路をたどっていたのです。 231 00:10:34,990 --> 00:10:36,954 彼は地殻の底を発見したのです。 232 00:10:36,994 --> 00:10:40,490 その境界は今も彼の名にちなんで モホ面と呼ばれています。 233 00:10:40,530 --> 00:10:43,270 はるかに深いところでは、 波が核の存在を明らかにします。 234 00:10:43,310 --> 00:10:45,647 地震から地球を四分の 一周以上離れると、 235 00:10:45,687 --> 00:10:49,530 S波は消えてしまい、 再び現れることはありません。 236 00:10:49,570 --> 00:10:52,414 P波もいったん弱まって 消えますが、その先の反対側で 237 00:10:52,454 --> 00:10:53,210 再び現れます。 238 00:10:53,250 --> 00:10:55,130 S波は液体を通り 抜けることができません。 239 00:10:55,170 --> 00:10:57,490 外核は溶けているのです。 240 00:10:57,590 --> 00:10:59,450 ここで、インゲ・レーマンの 話に戻ります。 241 00:10:59,490 --> 00:11:01,892 ロシアに届いた微弱な波は、 液体の核を通り抜け、 242 00:11:01,932 --> 00:11:04,692 その内部にある、 波がより速く伝わる何かによって 243 00:11:04,732 --> 00:11:06,110 曲げられていたのです。 244 00:11:06,150 --> 00:11:09,479 それが、 半径約1,200キロメートルの 245 00:11:09,519 --> 00:11:10,530 内核でした。 246 00:11:10,570 --> 00:11:13,136 その後の研究で、内核は固体の鉄と ニッケルでできていて、 247 00:11:13,176 --> 00:11:15,930 太陽の表面とほぼ同じくらい 高温であることがわかりました。 248 00:11:15,970 --> 00:11:18,605 現代の観測網は、 こうした何百万もの記録から、 249 00:11:18,645 --> 00:11:21,450 地球の深部を三次元で描き 出しています。 250 00:11:21,710 --> 00:11:23,226 これまで、 深さ約12キロメートルより 251 00:11:23,266 --> 00:11:24,490 深くまで掘削した人はいません。 252 00:11:24,530 --> 00:11:26,477 それより 下にあるすべてのものについて 253 00:11:26,517 --> 00:11:29,337 私たちが知っていることの 大部分は、世界各地の観測所で 254 00:11:29,377 --> 00:11:32,210 地震波の到着時刻を測ることから 得られています。 255 00:11:34,360 --> 00:11:36,420 では、覚えておきたいことを三つ 挙げましょう。 256 00:11:36,460 --> 00:11:38,403 第一に、 断層は何十年もかけてひずみを 257 00:11:38,443 --> 00:11:40,669 蓄え、数分で破壊し、 そしてまた固着します。 258 00:11:40,709 --> 00:11:42,360 これが地震サイクルです。 259 00:11:42,400 --> 00:11:44,788 第二に、波は断層がどこで破壊し、 どのように動き、 260 00:11:44,828 --> 00:11:47,267 その破壊がどれほど大きかったかを 明らかにします。 261 00:11:47,307 --> 00:11:49,849 そして、一つ一つの地震が次の 地震へと応力を受け 262 00:11:49,889 --> 00:11:50,740 渡していきます。 263 00:11:50,780 --> 00:11:53,704 そして第三に、その同じ波が、 この惑星の内部を固体の核に 264 00:11:53,744 --> 00:11:56,600 至るまで描き出してきました。 265 00:11:56,800 --> 00:11:59,179 すべての地震は、 この惑星の内部から届く 266 00:11:59,219 --> 00:12:00,180 メッセージです。 267 00:12:00,220 --> 00:12:03,445 インゲ・レーマンは1929年に 届いたメッセージを読み解き、 268 00:12:03,485 --> 00:12:05,780 誰も訪れることのない世界を 見つけたのです。 269 00:12:05,820 --> 00:12:07,034 Earth Explained をご 270 00:12:07,074 --> 00:12:08,320 覧いただき、 ありがとうございました。 271 00:12:08,360 --> 00:12:10,191 次の講義に向けて チャンネル登録をお願いします。 272 00:12:10,231 --> 00:12:11,306 そして、 EarthWatch 273 00:12:11,346 --> 00:12:14,520 24-7で、この惑星の姿を昼も 夜もライブでご覧ください。